カンファークリニックでは、他のクリニックでは思いつかないような治療をすることもしばしばです。
今回もとても珍しいやり方での治療となりました。(少々マニアックな話になります)

この写真だけ見ると、歯科関係者や、被せ物を作るときにきちんと説明を受けたことのある患者様は「ん?ただの土台でしょ?」となると思います。
実はこれ、ただの土台ではないんです。土台を外してみると、、

土台を外してもまた土台、、、?何これ!!?
となる訳です。
こちらの患者様は、他院での被せ物の作り替えを希望されてご来院いただきました。
被せ物を外してみると、土台が細い、、、
土台が細いと次のようなデメリットが考えられます。
①土台への負担過多。
被せ物をした時に細い土台に負荷がかかりすぎて土台が折れてしまう。
②被せ物が外れやすい。
細い土台に上の被せ物を接着するので支えが少なく外れやすい。
全てが繋がった状態の被せ物を作製するなら負担も少しは分散しますが、見た目や清掃性など今後のことを考えると、出来ることなら一つひとつ独立したものを作製したいです。
そのためには、土台をやりかえた方が良いのですが、そうすると新たな問題が発生します。
⑴チェアタイムが長くなり、患者様の身体的ご負担が大きくなる。
⑵土台の料金が新たに発生する。(ファイバーの芯を歯の隙間の大きさに合わせた本数を立てていくので、立てるファイバー芯の本数によって料金がかさむ。)
⑶既存の土台を外す時に歯の根に負担がかかる。土台を立ててある歯の根の壁が薄いので、既存の土台を外している時に歯の根の壁が割れてしまい抜歯になる可能性がある。
そこで、技工士さんに相談して出来上がったのが先程の写真の土台カバーです。(メジャーなやり方ではないのでネーミングがないので、いま名付けをしました笑)
土台カバーを入れれば、土台が適切な大きさに出来るので①②の懸念は払拭できます。
それから、⑴〜⑶についても解決します。
⑴土台カバーを付けるだけで済むので、チェアタイムが短くなり、身体的な負担が軽くなる。
⑵土台カバーの料金は発生するが、本数は決まっているので安価で済む。(材料費のみのご負担)
⑶既存の土台を外さないので、歯の根の壁への負担がなくなる。
私たちはこの方法が1番だと思いましたが、患者様はどう思っていらっしゃるのか確認が必要です。
外れるリスクが高くなるけど、細い土台のまま手をかけない方が良い方、割れるリスクがあっても土台を新しく作り直したい方など、患者様も歯科医療従事者も考え方が様々です。
一般的な方法や今回の方法のメリット・デメリットを含め、たくさんの説明をし、今回は土台カバーを使う方法を選択されました。
長くなりましたので、次回に上に被せる仮歯のお話をしますね。
とっっっっっっても綺麗な仮歯です✨
ぜひご覧ください😊